自己破産はどういう場合にできますか。

一般消費者の場合、毎月の収入支出の状態からみて、継続的に債務を弁済できなくなっている状態であれば、支払不能といえますので、自己破産することは可能です。債務を弁済すれば生活費が不足し、生活していくことができない場合であれば、一般的には支払不能となっていることが多いでしょう。
債務額については、債務総額が50万円程度でも、健康状態などから仕事ができす、無収入であれば支払不能になることもあります。逆に収入が多ければ、負債が数百万円あったとしても返済可能と判断され、支払不能とはいえない場合もあります。

弁護士費用を用意できない場合はどうすればいいですか。

自己破産申立には弁護士費用や実費が必要ですので、これらの費用を用意していただく必要があります。生命保険等の解約金から支払うことも可能です。なお、親族や知人からの援助(返済の必要のないもの)で用意することは大丈夫ですが、借入で用意することはやめて下さい。どうしても用意できない場合は分割払いもお受けしておりますのでご相談下さい。

自己破産以外の債務整理の方法はありますか。

一般消費者の債務整理の方法としては小規模個人再生と任意整理があります。支払不能状態にあるのであれば、生活再建を重視して、自己破産申立を第一に検討して下さい。住宅ローンを借りていて住宅を守りたい場合や免責不許可事由が重大で免責許可を得ることが難しい場合は、これらの手続を検討することになります。

会社や家族に知られずに申立できますか。

会社からの借入がなければ会社に知られることは通常ありません。家族にも秘密にすることは可能ですが、家計収支表の作成や給与明細の提出等で配偶者の協力が必要な場合がありますので、配偶者に秘密にして申し立てるのは難しい場合があります。

自己破産申立のデメリットは何ですか。

一般消費者の場合、自己破産することの最大のデメリットは社会的に経済的な信用がなくなることです。要するに、貸金やクレジットカード業者との関係でローンが組めなくなったり、クレジットカードが持てなくなったりすることです。しかし、7年から10年程度で信用情報から削除されますので、永久に続くわけではありません。なお、破産開始決定を受けると法律により失職する職業もありますが、大多数の給与所得者は問題ありません。また、会社や知人などに自己破産をしたことが知られることは通常はありません。

免責不許可になると借金は残るのですか。

浪費やギャンブルなど免責不許可事由があっても、裁量免責が受けられる場合がありますので、実務上、免責不許可となるのは免責不許可事由がかなり重大な場合です。確かに免責不許可になれば、借金は残ることになりますが、ほとんどの場合は一定の手続を経た上で裁量免責を受けて免責されています。ただ、無条件に免責許可が受けられるわけではありません。どのような場合に免責不許可になるかは弁護士にご相談下さい。

任意整理している途中で支払えなくなった場合、自己破産できますか。

弁護士などが入って任意整理する場合、債務者の収入支出の状態をみて、弁済できる範囲で任意整理案を作った上で、債権者と和解しますので、和解時の債務者の収入支出の状況に変化がなければ、通常は支払不能とはいえないので、自己破産することは難しいでしょう。
しかし、和解当時と事情が変わり、例えば、解雇されたり、転職したりといった理由で収入が無くなるもしくは大幅に減ったりした場合や、医療費が増えたり、子供が生まれたりするなどで支出が大幅に増えた場合などは、支払不能になることも考えられます。このような場合は、自己破産することができます。

自己破産した場合に家族に対する影響はありますか。

個人の自己破産の場合、破産手続をするのは当該個人だけですので、家族に対する法律的な影響はまったくありません。債権者は子供や親に対して法的に請求することはできません。ただ、個人間の貸し借りの場合、事実上親や子供に請求したりすることもあるようですが、法的な権利にもとづくものではありません。しかし、家族が保証人になっている場合は、自己破産することにより、請求が保証人となっている家族に対していくことになります。この場合、当該家族も同時になんらかの債務整理をしたほうがよい場合があります。
自己破産や個人再生などの法的手続をする場合、配偶者が仕事をしていて収入があるときは裁判所に家計の状況を報告するため、配偶者の給与明細が必要となることがあります。また、配偶者名義の預貯金は原則的には配偶者のものですので、配偶者がそのまま保持できることがほとんどです。