個人事業主が自己破産する場合の資料としては個人の破産申立に必要な書類に加えて以下のものが追加で必要となります。

・収入に関する資料として確定申告の控え(過去3年間)
・事務所・工場等に関する資料(賃借している場合には、賃貸借契約書、自己所有の場合には、全部事項証明書固定資産税評価証明書
・従業員を雇っている場合には、その従業員に関する資料。具体的には、賃金台帳、解雇している場合には、解雇通知・その受領書
・売掛金、在庫商品、機械・工具類、什器備品(リース物件に関する資料も含む)の資料
・税金の滞納がある場合には、役所からの督促状等の資料

ただし、大阪地裁では、上記の資料は、現に事業を営んでいる者若しくは申立前6ヵ月前まで事業を継続していた者において必要とされていますから、廃業して6ヵ月以上経過している場合は不要です。

■個人事業主の自己破産にかかる費用について
現在事業を継続している場合には、管財事件となり、大阪地裁では、申立にかかる弁護士費用のほかに、引継予納金が最低でも20万円が必要です。さらに、債権者の数、売掛金の回収状況、従業員の数、賃貸物件の明渡状況等により、引継予納金が50万円とされる場合もあります。
もっとも、個人事業主といってもいろいろの形態があり、事業の種類、内容によっては、自宅の一室を事務所として、一人で事業を行い、特に什器備品もなく、在庫商品も皆無であって、固定の取引先もないため売掛金もまったくないような場合もあります。その場合には、管財事件として破産管財人に財産の調査・換価などを行わせる必要もなく、その費用もないのが実情でしょうから、例外的に同時廃止事件となり、必要な費用は弁護士費用と諸経費だけになります。

事業廃止後6ヵ月以上経過している場合には、原則として同時廃止事件なりますので、申立の弁護士費用と最低限の実費(3万円程度)で済むことになります(引継予納金は不要)。